大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(オ)84 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鈴木義一の上告理由第一点について。

たとい所論のように、さきに上告人の妻が姙娠中二階よりすべり落ちてそれが基

で妻子が死亡した事実があるにせよ、原審挙示の証拠によれば、上告人は原判示の

如き事情で差当り現在その居住には差支えないし、被上告人は他に適当な移転先が

ないことは十分首肯できるから、原判決には所論の如き違法はない。

同第二点について。

所論の「被上告人は、他の家を買受けて移転し得べき能力を有する」というよう

な事実は、原審の認定しないところである。また、たとい高岡市内に売家が相当存

し、かつ被上告人が嘗て本件家屋買受の交渉をした事実があつたとしても、それだ

けでは当然には被上告人が他に家を買受けて移転し得るものと推論できないことは

勿論である。そして原審の認定した事実によれば、本件解約の申入には借家法一条

の二にいわゆる正当理由がないことは明白であるから、原判決には所論の如き違法

はない。論旨はすべて理由なきものである。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 谷 村 唯 一 郎

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